2011年8月1日月曜日

還暦ファンキー運転手

又素晴らしいタクシー運転手に出会った。場所は神楽坂。
上野方面への移動の為交差点の角でタクシーに手を上げる。左折して目の前に止まるタクシー。その時に違いに気付いた。

スキンヘッドではっきりと見える左耳にダイヤと思われるピアス。そのサイズは1cmは無いが8mmくらいはありそうだ。目立つ。運転手はどうみても僕より年上。50以上に見える。

気になるよね?もしそんな運転手に出会ったら誰だって気になるよね?
僕:「それピアスですよね?」
運:「そうですよ。」
僕:「右にもしてるんですか?」
運:「いや、右だと向かってきた車から見えちゃうから目立たないように左。」

僕:「ああ、なるほど。でもお客さんは左から乗るからお客さんには丸見えですよ。」
運:「ああ、そうか、目立つかなぁ」
僕:「だって運転手さん耳を隠すものがないじゃないですか。」
スキンヘッドにピアスが目立たないと思えるだろうか?流石にそれは無いだろう。更に聞いてみたら別に客に隠すつもりもないみたいだし、休みの日には芸能人ばりに派手なスーツとか着て出掛けてるらしい。

当然次の疑問が
僕:「会社に怒られたりしないんですか?」
運:「怒られるよ。社長に辞めろって言われた事もある。」
僕:「で、なんて言ったんです?」
運:「『俺はこの会社が好きだから辞めん。』って言ってやった。」
何と痛快な話だろう。会社に文句を言ったり己の生活の為に言いたい事を言えないような人が多いのにそんなことが言えるのか。素晴らしい。一気にこの運転手が気に入った。


で、この運転手に会ったら当然思いだす運転手が。

三日死んだ男

で会った人。思いだしついでに同じ事を聞いてみた。
「前にも面白い運転手さんに会ったことがあるんですよ。『結婚してますか?』って聞いたら『押し倒してヤっちゃったら出来ちゃって』って答えられたんです。運転手さんは結婚されてるんですか?」

と。すると
運:「3度した。でも今は独身だ。」
僕:「お子さんは?」
運:「3人目との間に出来た。今中学生だ。」
僕:「たまに会ったりしてるんですか?」
運:「会ってるも何も一緒に住んでるよ。ペルー人の嫁だったから中学生で180ある。」
僕:「運転手さんは幾つなんですか?」
運:「俺、60」
僕:「47の時の子供ですか?子供の将来考えたらその歳で子供作るの怖くないです?」
運:「そういう人いるけど、それじゃダメだ。愛してるんだから。」
僕:「凄いですね…」
運:「先の事なんて考えてちゃダメだ。いつ死ぬかなんてわからないんだから。」
僕:「確かにそうです。」
運:「好きだから抱いて、子供が出来たから全力で育てる。俺が生きてる間は面倒見る。それでいいだろ?」
僕:「確かにそうですね。」
60にしてなんとも堂々とした生き様。カッコイイ。


愛に真直ぐに生きて年齢とか気にせず子供も作って育ててる。
「愛に真直ぐだけど…離婚したんだよね、多分。」
なんて野暮なツッコミを思いついたのはタクシーを降りた後だった。

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