炉端焼き屋で角ハイ飲みながら、一方的に流されるテレビを見ていた(まぁテレビってのはそういうもんだ)。
内容は「日本3大都市」。名古屋の人からの投書で、福岡の人は3大都市を「東京・大阪・福岡」と思っているから、それは福岡でなく名古屋であると是正したいといった内容のようだ。
で、それぞれの都市の人口、総生産、スタバの数という3つの要素で比較をしつつ、各都市の住人に意見を聞いていた。
知っている人も多いと思うが、人口でいえば今、3番目の都市は横浜である。圧倒的に横浜の勝ち。
僕が小学生のことなら3番目は間違いなく名古屋だったが、今となっては圧倒的に横浜のほうが人口は多い。そもそも商圏が違う。関東の人口は3千万くらいいるわけで、中部圏は500万人程度だろう。比べるほうがアホだ。
因みに、総生産で気になったのは名古屋が11兆円程度ということ。恐らく間違っていないが、これを愛知県にしたら20兆円企業のトヨタや、世界第2位の自動車部品メーカーのデンソーも入ってくる。
東京を「東京都」、大阪を「大阪府」で見れば名古屋は「愛知県」になる。東京都の総生産96兆円には及ばないだろうが、かなり面白い結果になったんじゃなかろうか。そもそも、どの都市にも良し悪しはある。そんなとこを変な火種にして面白がるなよ。ああ、作ってる連中は「1位の東京」だから関係無いのかもな。そんな嫌な見方をしてしまいそうになる番組構成だ。
このネタでもテレビを見ていてかなり不快になったのだが、この番組はこんなことで終わらない。その次のネタが更に僕を不快にさせた。
お年寄りの携帯・スマホの写真であるとかメールの中身を晒して、特に誤変換を晒して「変換は苦手」とか出しているのだ。
要はお年寄りはスマホのような最先端機器の操作は苦手で、使いこなしているような人でも文字変換は失敗するという文脈で番組を構成しているのだ。
もうね、見ててね、「アホか」と思って胸糞悪くなる一方。
統計を取ってみなきゃわからないけど、誤変換など年代問わずにやる。若い人だってやることだ。
何より気分が悪いのは、人の失敗を晒して面白い番組にしようという浅い思慮で番組を作っているノータリン共の上からの物の見方だ。
僕らはエンジニアだ。もし僕らが真摯な目でその番組を見るなら、「誤変換した老人」より、「誤変換させたシステム」を問題視するだろう。そして、金を払って機械を買っている人からすれば、それを享受てきて然るべきである。意図しない機械の誤動作(敢えてこの場では誤変換をそう呼ぼう)それを出来るだけ無くし、その人が意図した文章を誤解なく伝えるために誤変換を無くす。これがあるべき姿だからだ。笑うなら、誤変換を笑え(というのもエンジニア的には厳しい意見だが…)。
そういう視点を無くして、誤変換した文章をメールで送信した人の失敗を笑う。嗚呼、ゴミ共め。
何だろう、この胸糞悪さは。