2014年6月21日土曜日

Under the rose

以前、こんなエントリを書いた

ちんぶろぐ: 四谷三丁目、19時、30分。バーボン1杯

四谷三丁目に鍋を食べに行った時、早く着いてしまったので一人で酒を飲みにいったのだが、その店が気に入ったわけだ。だが、家が松戸で職場が池袋。四ツ谷方面には中々行かない。
たまたま、麹町の方に用事があったので、その帰りに足を伸ばしてみた。

店に入るとマスターの奥さんと思われる女性(というか奥さんだったのだが)と、その方よりは若い女性。てっきり近場のお店の方かと思ったが、実はマスターの妹さんだったということを後で知る。

広めのカウンターのお店で、マスターの妹さんとは離れた場所で飲んでいたのだが、お二人がステーキの話をしていたので、なんとなく話しかけてみた。

「もしかしてウルフギャングですか?」

ドンピシャ。そこから、色々と話し始めた。
その中で、マスターの写真の方を見ながら、「居た頃はねぇ」なんていう言葉が何度か出てきたので、やや躊躇したけど、聞いてみた。

「もしかして、マスターって…」

4月21日のことだったらしい。朝、新聞を読みながら心臓発作を起こしていたとか。僕はてっきり、前回来たのが2月か3月だと思っていたんだが、さっきblogを見返してそれがマスターの亡くなった4日前だったと知る。
僕の人生で30分位しか接点のない人だったが、何とも言えない気分になった。

そこからはマスターの思い出話。前回、僅かな時間の中では聞けなかったことを聞けた。例えば、この店には生の薔薇が飾られている。薔薇の花はカウンターに座った僕の顔の高さくらいになる。何故薔薇なのか?

「Under the rose」

まぁ直訳すれば「薔薇の下」なんだが、「秘密」という意味。
酒の席でのことだ。その薔薇の下で話したことは、ここだけのことにしておきましょうという意味で、そこには常に薔薇があったとのこと。なるほど。

僅か30分程度しか行ったことのない店だったのに、再訪したくなり、してみればマスターは亡くなっていた。だが、そのことをたまたまウルフギャングという接点で話し始めて知った。余談だが、僕がウルフギャングに行ったのは先週の金曜日。お二人が行かれたのは日曜日とのこと。しかも、元々ご夫婦で行く予定だったが、旦那さんが亡くなったので、奥さんと義妹さんで行くことになったとか。なんか、そのへんも微妙な運命みたいなものを感じるな。

話している間、あまりマスターのことに触れると、奥さんが涙ぐみそうになっていたので、そうなったら話題を逸らすようにしつつ、会話も楽しませてもらった。

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