2014年7月22日火曜日

基本的にNGだが、敢えて聞いてみる

最近、結構マジメに不思議に思うことがあるので、何人かのバーテンさんに聞いている。

僕が行く店だから大体ぼくと同い年くらい…まぁ±10歳くらいの範囲で聞いてみた。聞く内容は至ってシンプルだ。

「若いバーテンさんは美味しいカクテルを出すために頑張って古い酒(美味い酒)を探してくれる。反面、古い酒を持っていそうな年配のバーテンさんは、現行ものの酒で同じカクテルを作る。どちらも同じような金額で出てきた時、どちらもその金額に納得できるものを出してくれる。だが、後から考えてみると、年配のバーテンさんのカクテルに腹が立つ」

というものだ。まぁ、「腹が立つ」っていうのは冗談として受け流して欲しいが、要は原材料費が明らかに違うのに、同じ値段で出てくるのを目の当たりにしたら、やっぱり納得いかないというかなんかモヤっと感があるよねということだ。

同業者だから当たり前だが、こんなことをバーテンさんに聞いても、納得できるような本音っぽい話は返ってこない。そもそも、他所の店の話をして(しかもどちらも褒めて)いる時点でNGだ。そんなことはわかりきった上で質問しているのは、当然ぼくがその相手の技量を信用しているからなんだが。

面白いことに、「高いですよね」という、返事は返ってこないが、共通して返ってくるのが、「オーラみたいなもの」というものだ。
長年の経験から、何の変哲もない(という言い方も失礼だと思うが)カクテルを、美味く魅せるオーラを持っている。その空間を作り出せる。だからこそ、若いバーテンさんでは作り得ない満足度をお客さんに提供できると。

なるほど。ぼくらは、その経験によって培われた美味しそうな雰囲気、美味しく感じさせる雰囲気にお金を払っているのかもしれない。それもプロの力量だもんね。

ここで納得できたら、若いバーテンさんに当然次の一言を言いたくなるが、流石にそれは言わない。

「xxxを現行の酒で作って。」

0 件のコメント:

コメントを投稿