2012年5月9日水曜日

会いたい女

嘘もつき通せば真実と変わらない。内面がどれだけ悪人でも、誰かの前でずっと善人のように振る舞いその相手にずっと善人と思われていれば、少なくともその人からは善人に思われ、終わる。
だから、余計なことは言わないほうがいい場合もある。

例えば、自分がいい人だ、優しい人だと思っている人がいるとして、
「あの人、昔、人を殺したことがあるんだって」
なんて言われたら、もしかしたらその人を見る目が変わってしまうかもしれない。いや、そんな噂が広まりでもしたら周囲の見る目も変わり、それにつられて自分が相手を見る目も変わってしまうかもしれない。
しかし、時に相手の印象を変える一言はより相手への好奇心を、興味を掻き立てる事にもなる。

元々イイ女。飯島直子的と言おうか色気がある。そんなある女性について、友人から聞いた話。

「あの女、昔付き合ってた男が何でも入れたがる奴で、寿司入れられたことあるらしいぞ」

この一言で僕の好奇心は一気に掻き立てられた。因みに巻寿司じゃなくて握り。
まぁこの話を聞いた時には、その男に対する好奇心もかなりあったが…

この話を聞いたのは10年くらい前。あの当時、その女を見る度に
「この女…」
とか
「残った米が発酵して酒になってるんじゃないか?」

とか思っていた。なまじイイ女だから、変に思うことがより強くなったのだろう。
しかし、何より平静を装っているのが大変だった。

なのに、今になって無性にその女に会ってみたい。何がしたいというわけでもないのだが、何故か会ってみたい。

「今は、い・な・り」
そんな返答が返ってくるはずもないが。

しかしこの話、教えてくれた友人の話し方が素晴らしく、その小芝居によって脚色&面白味がアップしているのも事実。

先日、名古屋で会った時にこの話を蒸し返してみた時も
「うぅ〜ん、イカかなぁ」
とか、ありもしない芝居をしながら話してくれた。
二人の間の事だから他人にはわからない。だが、流石にネタ当てクイズまではやっていないと思う。

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