「この鴨に合うワインを出してくれ」
まぁ、これをやりたかっただけなんですけどね。ソムリエ持ってるバーテンならそれくらいお茶の子さいさいでしょ?普通?みたいな感じで。
店に入って最初は白ワイン。その後鴨と赤ワインへ。
チリワイン。ボディしっかりタンニンしっかり。美味い。が、しっかりしすぎてワインが勝っちゃう。
「だから山葵を添えてみました」
あ、なるほど!そういうことなのか。
が、
僕は山葵が大っ嫌い
なんですよ。ってかね、日本の人口は今1億2千万くらいだと思うけど山葵好きなのなんて12人もいないんじゃね?「からしがあればからしの方が合ったと思うんですが」
あ、なるほど!そういうことなのか。
が、
僕はからしも大っ嫌い
なんですよ。ってかね、日本の人口は今1億2千万くらいだと思うけどからし好きなのなんて12人もいないんじゃね?
というわけで、ワインを飲んだ感想は
「牛肉食いたい」
に落ち着いた訳です。このワインと塩コショウでシンプルに味付けしたステーキの組み合わせで食べたい。ワインは勿論美味しかったし、彼の選択が間違っていたわけでもないです。まぁいい大人で山葵嫌いって人少ないですからねぇ…
店に入った時からとにかく飲んで欲しいバーボンがあるという話をしていたので、次はそれを飲むことに。モルト好きの彼曰く「これを飲んでバーボンに開眼しました」とか。どの酒かは後のお楽しみと言っていたけど、バックバーを見ると明らかに異彩を放つハーパーが。
「ハーパーでしょ?」
あっさり言ってしまう自分は本当にこういう部分での遊びが下手だと思う。
飲み比べということで先に現行12年を出された。この酒飲むのも僕の記憶では10年ぶりくらい。僕は現行物のハーパーを飲むと頭痛がするので飲まないようにしている。だからこの酒を飲むのに抵抗があった。
しかし、飲んでみれば美味い。 現行のバーボンではかなりいいものなんじゃないだろうか?僕の好きな「こってりガッツリ」な感じじゃないけど、薄いわけじゃなく上品。残り香も甘くて上品。そして本命のオールドボトル。ラベルからしてもう古さが滲み出ている。
1937年蒸留、1943年瓶詰。
コイツはスゲー
50度の度数がしっかり残っている。そして、酔っ払いの千鳥足のように、落ち着きなく、とにかく味と香りが変化する。味の多動性症候群。アルコールの強さを感じさせたと思えばなめらかな口当たりになり、時に甘く、時にシンナー臭を放つ。幾重にも見せる表情はありていな表現をすれば万華鏡のようだ。しかし単に落ち着きが無い訳ではない。芯がある味。最後は良質のオールドボトルバーボンへ帰結。フィニッシュは長く続く。チェイサーを飲んでも舌に甘さが残る。確かにこれはバーボン好きでない人にも飲んで欲しい逸品だ。
こういう酒を飲むと非常に困るのが次の選択。生半可な同系統の味を持ってくると負ける上に先の酒の余韻を悪い方向へ消してしまう。そこでスレッジハンマーを注文。
その後モルトを。
グレンアラヒー。1974/2010 35yo
濃いシェリー。しかしありがちな渋みというかエグみは無い。美味かった。が、味は記憶してるが先のハーパーとこの後のカシスに挟まれ適切な言葉思い浮かばず。
再度飲みたい酒なのに…
普段飲みに行く時なら主役になれる酒なのに…
そして〆。
「カシスソーダ」
と言ったら(冗談やネタじゃなくて本当に好き)
「そういえばいいカシスがあるんですよ」
と言って出されたのがコレ
リキュール・ド・カシス・ド・ムートン・ロートシルト
名前長いよ…
ストレートで出てきた。
「カシスソーダじゃない」
という僕に
「これは是非ストレートで」
とのこと。
飲んでみると、まぁ、これが、美味い。
カシスのストレートなんて甘ったるくて飲めたもんじゃないと思ってたら全然そんなことない。
ちょっとブルーベリーっぽい?まぁカシスってそんな感じだけど。貴腐ワインみたいな感じと言えば適切なのかな?違うかな?
コース料理を酒で表現したような夜だった。
惜しむらくは金を下ろすのを忘れていて手持ちが少なかったので飲む量をセーブせざるを得なかったこと。
最近歳のせいか必ずと言っていい程何か一つ大切なことを忘れる。
しかし店から出た時所持金合わせて1000円未満ってのは酔い覚ましには十分な現実だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿