2013年9月14日土曜日

腕時計と自動車

かつて高級車といえば手造りのイメージがあった。
今でも内装はそうだろうが、駆動系に関しては機械で作られている。電子制御も当たり前。そりゃ、その方が精度上がるし、性能や信頼性も上がるし、当然といえば当然だろう。今どき、職人が鉄塊から削り出したエンジンブロックとコンピュータで設計して金型作ったエンジンブロックでどっちが安心できるかといえば後者。

製造工程のみにあらず、自動車そのものもハイテク化が進んでいる。
「ヒールアンドトゥができない奴はフェラーリに乗る資格がない」
と、エンツォフェラーリは言ったそうだが、そんなフェラーリも今やツーペダルみたいだ。ATの方が人間より早く正確にシフトチェンジ出来るんじゃ仕方ない。

進化の速度は大衆車より遅い部分もあるが、兎に角自動車はどの価格帯であってもハイテク化が進んでいる。そうなると、カタログに記載する機能では大衆車も高級車も変わらなくなってゆく。
先に挙げたフェラーリもHV化してきている。

自動車とともに金持ちを表しやすいアイテムである腕時計。こちらは相変わらず値段が上がるほど性能が下がる。
どちらも工業製品だ。ということは、職人が作るより工場のラインで機械に組み立てさせた方がモノの信頼度は上がる。ハイテク化したほうが、精度が上がり故障率も下がる。
時計の本質は時間を知ること。正確であればより良い。機械式の腕時計はその為に進化をしてきた。であるならば、高級腕時計こそ電波時計にすべきだし、ソーラー時計であることが好ましいと思えるのだが、現実はそうでもない。この点自動車とはえらく違う。

高級腕時計を高級たらしめているのは、ムーブメントにもあるが、宝飾品という側面もある。ソーラー電波時計のベルトを金にして、文字盤にダイヤを埋めてもいいんじゃないか?と思うんだけど、不思議とそんな時計は出てこない。

「じゃあそんな時計が出てきたら欲しいか?」

と問われたら、悩む。宝石の埋め込まれたソーラー電波時計と同じ装飾の機械式が同じ値段だったら、それも数百万レベルだったら。
買うことはないが、自分でも欲しいのは…後者かな?
理由は自分でもわからない。

因みに自動車だと、エンジンの電子制御はいいけど、サスペンションの電子制御は要らない。ハイブリッドも要らない。DCTは悩ましいけど、3ペダルのマニュアルシフトがいいかな。

嗜好は合理的にならない。

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