2012年8月13日月曜日

青森バーめぐり

今回の旅のルールの一つに
「飲まない、飲みに行かない」
があった。
しかし、大人の事情で、ちょっとイラっとすることがあって、結局バーを探して飲みに行ってしまった。

一軒目。検索したら出てきた店。バックバーに500本以上の酒。品揃えは中々のものと言えるだろう。尤も首都圏以外の地方都市の方が、変に品揃え充実してて、日本どころか世界に誇れそうな店があったりするから、なんとも言えんのだけどね。

酒はともかく、この店で「ほわっ」とすることが。
結構酔った女連れのおっちゃんがチェックの時、連れの女性が4年前にこの店にコートを忘れていったという話をしていた。その女性もその時に連絡はしていたらしい。
だがしかし、4年前だ。しかも今は夏。取ってあったとしても店内にあるかどうかも怪しい。店員さんも「傘だと大体3週間くらいで処分しちゃうんですが」なんて話をしている。そりゃ傘よりは長く保管しているだろうけど、4年だ。
結果…店の奥に入っていった女性店員がそのコートを持ってきた。女性客はいたく感謝して店を後にした。

「4年前の忘れ物をとっているなんて素晴らしいですね」
僕が話しかけるとバーテンさんは
「たまたまですよ」
と言っていたけど、その言葉は半分真実というところであろう。謙遜の美しさを見られた。これだけで、この店にいた時間は満足できるものとなった。

そして、宿へ帰ろうと歩いている道の途中、新幹線で隣に座っていたおっちゃんにすれ違ったのもびっくりだったけど、それはさておき気になる店発見。
外から見える店の作り、こじんまりした感じ。僕の勘では50以上のおっちゃんバーテンがやってるゆったりした店だった。だが、入ってみるとコックとバーテンの女性二人でやっている店。カウンター5席、テーブルで2席が一つ。酒の品揃えこそ控えめだが、年季を感じる店の作り。

店は当然ながら「女」を売りにしているわけではない。だが、女性ならではという感性はチャームから感じられた。暗かったし酔ってたから間違ってるかもしれないが、多分パン粉か何かを付けて焼いた鶏肉とラタトゥイユっぽいもの。これが美味かったのよ。この辺は女性ならでは感がある。男性の店でも気合の入ったチャームが出てくることはあるが、この一手間かけてるけど、さっと出ますよ感は出ないんだな。不思議。
そしてもう一つ。明らかに女性ならではという気遣いが、トイレにあった「女性専用」と書かれた小箱。恐らく中身は女性の使うものだろう。僕はその体験もしたことも、それで困ったことも無いからなんとも言えないが、女性じゃないと出来ない気遣いだろうね。男性だとそれを入手するのも手間だし。

因みに、2軒目の店ではバックバーの一番上の棚にメーカーズマークのブラックを見つけたので、それを注文したら
「古いものですので、若干抜けて香りも飛んでいますがそれでもよろしければ」
と正直に言ってもらえた。全然構わん。頼んでみたら案の定確かに抜けを感じるが、それも古さの個性と許容出来る範囲。

己の誓を初日から破り、偶然にも行った2軒で気分を良くして宿に帰ることができた。
因みにその2軒は
Ar Bar
Arrow Bar
である。
青森だからか、両方共Aで始まる店だ。単なる偶然だろうが。

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